「20代で転職する人はさすがに少ないだろう…」
「新卒入社ですぐ退職・離職する人は果たしてどのくらいいるのでしょうか…」
20代で転職を考えている方、以上のような疑問を持っていませんか?
今回は、そんな方々を対象に、20代の転職事情について詳しく解説します。
目次
新卒ですぐ辞めてしまった人はどのくらいいる?
以上のような疑問を解消してくれるのは、厚生労働省のデータです。
まず、短時間で離職した新卒者の割合と年代について解説します。
厚生労働省の『新規学卒就職者の学歴別就職後3年以内離職率の推移』によりますと、平成26年の3月卒業し、4月入社の大学卒業者で、卒業後3年以内に退職した人の割合は、全体の32%以上を占めています。
つまり、新卒者の約3人に1人が転職、または退職をしたということであり、新卒入社にも関わらず3年以内で辞めるのは、決しておかしいことではありません。
新卒入社ですぐ辞めたいと思ったのはなぜ?
次に、彼らはなぜ20代のうち転職を選んだのかをチェックしてみましょう。
厚生労働省は定年前に転職しようと思っている若年正社員の100人をサンプルに、調査を行ったところ、以下のような結果が出ています。
- 賃金の条件の良い会社にかわりたい:44.6%
- 労働時間・休日・休暇の条件が良い会社にかわりたい:40.6%
- 自分の技能・能力が活かせる会社にかわりたい:36.7%
- 仕事が自分にあった会社にかわりたい:36.3%
- 将来性のある会社にかわりたい:29.5%
- 健康上の理由、家庭の事情、結婚等で会社をかわりたい:24.7%
- 人間関係の良い会社にかわりたい:23.3%
- 独立して事業を始めたい:14.6%
この記事を閲覧されている方にも、上記のような理由で転職を考えはじめた方もいらっしゃるでしょう。
20代の年収相場とは?
前述のように、やはり給料が低いから離職をした20代の方が一番多いようです。
実は、転職サイトDODAのデータによりますと、全国の20代の平均年収は340万程であり、そのなか、男性の平均年収は365万円であり、女性は320万円です。
しかし、20代で年収が300万円未満の人は、全体の33%以上占めています。
また、労働時間・休日・休暇に対して不満に思う人も多いです。
業界によっては、年間休日は20日程の差もでます。
たとえば、金融・保険業界の平均休日は120日以上ありますが、宿泊業になると平均休日は100日未満になってしまいます。
以上のことにより、20代とはいえ、年収と休日休暇にある程度の格差が存在しています。
人間関係も悩みに種になる
年収と休日のほかに…
賃金の条件の良い会社にかわりたいと思ったのは、今の会社の給料の低さに悩んでいるからです。
人間関係の良い会社にかわりたいと思ったのは、今の会社の人間関係に悩んでいるかからです。
自分の将来像が描けない、入社前と入社後のギャップが激しい、残業が多くてプライベートの時間がとれない…
20代だからこそ、悩みは多いです。
担う責任も急に大きくなり、生活の中でほとんどの時間を費やす仕事に関しては、むしろまったく悩まない人のほうが少ないでしょう。
20代の若手社会人は、誰もが理想を持っているでしょう。
自分に合った仕事をし、恋人、友人とプライベートを充実させ、一度しかない人生を有意義に過ごしたいものですが、現実社会は残酷です。
友人たち、周りの人と比較をしてしまったり、上司に評価・信頼されなかったりして、仕事のことだけで頭がいっぱいになって、この先は一体どうなるのだろうかもわからずに過ぎていくのは、辛いですね。
転職してリフレッシュしよう
しかし、ただ悩んでいるだけでは問題は解決されません。
転職すれば、今までの問題を全部解決できるとは限りません。
ですが、転職は、問題を解決する手の一つといえます。
回り道をしたというふうに見えても、実は自分のゴールへの近道かもしれません。
「20代での転職活動はマイナスイメージになるのではないか」と心配する方もいらっしゃるでしょう。
たとえ20代の転職をマイナスに捉える人がいるとしても、
ですが、他人のための人生ではなく、あなた自身のための人生です。
ご存知かもしれませんが、人間の脳は、一般的には変化を嫌うのです。
転職しようと決めた人は、決して逃げではなく、むしろ、かなりの覚悟が要ります。
あなたの自分の人生のために戦おうという決意と勇気を表しています。
20代で転職をするメリット
では、20代で転職するメリットとしてどのようなものがあるのでしょうか。
未経験業種、職種への転職は可能
20代であれば、実績よりも、企業側は「柔軟性」と「ポテンシャル」を重視しています。
多くの企業は「まだ若いから、吸収するのも早いし、すぐに成長してくれるだろう」と20代の転職者を見ています。
逆にいいますと、とんでもない実績をもつ20代の転職者は非常に少ないので、企業側はそもそもそこに期待をしていません。
「自分はこういうことを経験したからこれほどの成長を遂げた」のような、自分のポテンシャルをどうやってアピールすれば良いのかが大事だということです。
ポテンシャルが高いというイメージを与えることができれば、スキルレベルが低くても採用してくれる可能性が高いので、異業種で働こうと考えている場合、20代のうちに転職を行ったほうが良いでしょう。
大きな成長を遂げる可能性
人は、違う環境に適応することによって成長します。
転職は、今までまったく違う環境で働くことを意味しています。
オフィスも、人間関係も、働き方も、すべてゼロになって、最初から適応しなければなりません。
新しい同僚や上司は、あなたの常識を覆すような行動をとってしまう可能性もありますので、もちろん最初はかなり苦労をすることが予想されますが、視野を広げることができ、あなたの成長に繋がります。
新しい環境でまた新しいことを教わり、教わったことをどんどん吸収していければ、きっと想像以上に大きい成長を遂げるでしょう。
20代で転職をする時の注意点
20代で転職をすることは、メリットばかりではありません。
あまりにもポジティブに考えてしまうと、失敗する可能性も十分あります。
「ポテンシャル採用だし、自分は頭も学歴も良いから簡単だ」と考えずに、事前準備をしっかりしましょう。
履歴書に力を入れよう
まず最初に力を入れるべきところは、履歴書です。
新卒時代の歴書を適当に添削し、そのまま使っていませんか?
こういった履歴書は、企業の特徴をつかめることができません。
それはつまり、「この会社についてあまり調べていないよ」とアピールすることに等しく、志望度が低いと思われがちで、書類選考の段階で落とされる可能性は非常に高いです。
応募したい企業の背景・ビジョンをよく調べてから履歴書を作成しましょう。
どうしてもわからなければ、転職エージェントに依頼するのも良いでしょう。
仕事に対する姿勢をアピールしよう
たしかに企業側は20代の応募者に対して、実績よりもポテンシャルを重視していますが、やはり比較的に「優れた」人を採用しています。
ここでの「優れた」というのは、スキルだけでなく、コミュニケーション能力・仕事に対する姿勢も含まれています。
逆に、スキルはあとでいくらでも身に付けるものですから、一番重視されないポイントかもしれません。
いままで経験したことから何を学んだのか、これからの仕事にどう活かすか、自分の強みは何なのかを明確に企業側に伝えれば、「この人はただ行動だけではなく、考えながら働いてきたんだな」と相手の心をつかめることもできるでしょう。
転職は、大きな決断である
前述のように、転職しようと決めることは、逃げではなく、かなりの覚悟が必要です。
転職の手続きも決して簡単ではありませんし、働きながら転職活動を行うのが一般的ですので、体への負担が大きいです。
場合によっては引越ししないといけないこともありますので、それに伴う費用は、20代の若年社会人にとってかなりの大金です。
今回は20代での転職を紹介しましたが、転職はあくまでも選択肢の一つであり、転職をせずに今の場所で自分を高めていくというのも選択肢の一つです。
ただ「今の会社は嫌だから転職しよう」だけではなく、
「今悩んでいることは具体的に何なのか」
「その悩み(課題)を解消(解決)するためにはどこに力を注ぐべきなのか」
「転職をすることによって確実に解決できることは何なのか」
「転職をしても解決できないことについてはどうすれば良いのか」
などのことに、真剣に向き合って、よく考えてから決断を下すようにしてください。