ここでは、現職の住宅営業からの転職を考えている人向けの「おすすめの転職先」を紹介していきます。
「自分と同じ住宅営業マンが転職を考える動機」「どんな業界が転職先に適しているのか」「実際に転職を成功させた人の口コミが知りたい」という方は是非参考にしてみてくださいね。
目次
よくある住宅営業の転職理由
ここでは住宅営業職の方が抱く転職の理由について書いていきたいと思います。
自身が転職したい、と考える原因となっている部分をはっきりとさせる事で転職条件がおのずと決まってきます。
自身を見つめ直し、どんなことでストレスを感じるのか見極めてみましょう。
ノルマ達成が厳しい
どこのハウスメーカーの営業にも少なからず付きまとうのがノルマですよね。
会社によって差はありますが、ある程度の数を売っていないと社内での肩身が狭くなるのは経験者であれば共感できると思います。
でも一件ごとの達成条件が難しいだけに月間のノルマ数は他業界よりも少ないです。
住宅営業職の相場として、低価格住宅であれば1棟/月、高価格住宅(大手ハウスメーカーなど)なら0.5棟/月が平均であると言われています。
しかし、一件につき数千万円単位のお金が動く中で、B to C営業で契約を勝ち取るのは本当に大変なことですよね。
さらに、この数字は会社を経営するにあたって必要な利益から逆算された数字なので、上からは大きなプレッシャーをかけられます。
その状況下の中で管理職の人間から𠮟咤を受けながら働くのにはかなりの忍耐力が必要であると言えるでしょう。
休日が火曜・水曜
多くの住宅営業の休日が火曜と水曜であることも転職を考える上での理由の一つになっています。
住宅展示場の対応やお客様との打ち合わせ、テレアポが住宅営業の代表的な仕事ですが、その多くは世間が休みである土曜と日曜に忙しさのピークを迎えます。
故に土日は基本的に休めない状況が続きます。
「結婚したけれど家族との予定を立てづらい」「世間と同じリズムで働きたい」といった方々にとってこの状況は非常につらいですよね。
残業の多さ
住宅営業は日中に働いているお客様を相手に仕事をするので、自ずと打ち合わせの時間が遅くなり、その分自分の帰社時間が遅くなってしまいます。
更にその後から資料作成や事務処理などをしようものなら帰宅の時間が終電ギリギリになることもしばしばです。
また、引越しシーズンを迎える3~4月の繁忙期は特に忙しく、連日終電帰り、会社に泊まり込みもざらにあります。
ちろんハウスメーカーによって忙しさや残業時間は異なりますが、業界全体的に残業が多いのは紛れもない事実です。
お客様との約束がない場合、早く帰れることもあります。
しかし、1カ月に0.5~1件は最低でも契約を取らなければならないという事を考えると、そんな日が続かないのは容易に想像できます。
また、お客様との約束の時間が急に変更になり、カフェで時間をつぶしたりすることも多くあります。
こういった時間が積み重なる事で勤務時間が増えてしまい、なんだかずーっと働いている気になってしまうんですよね。
また、そんな時間を勤務としてカウントしていない場合も多く、サービス残業を請求する裁判は頻繁に発生しています。
安定しない給与
多くの住宅営業には売ったら売った分だけインセンティブが支給されます。
多額が振り込まれる月は良いとしても、全く売れず、給与が“雀の涙”な月もあります。
ベースの給与がある程度しっかりしている大手ハウスメーカーであれば問題ない事もありますが、地方の中小ハウスメーカーだと給与が不安定になってしまう事は多々あります。
この給与システムが転職原因になり、給与が安定しているルート営業に転職を考える方が多く存在します。
ほかの営業よりも大きいプレッシャー
「一般のお客様が一生に一度の買い物をする」「一つの契約につき数千万単位のお金が動く」これらの要因から他の営業マンよりも大きなプレッシャーが付きまとうのはしょうがない事です。
また、運良く自分から買ってくれた場合は契約から着工、完成まで気を抜くことが許されません。さらにその後もメンテナンスやリフォームなどもあるので、一度買ってくれたお客様とは一生のお付き合いになります。
お客様と関わっている内に別の契約につながる場合もあるので、関係をぞんざいに扱う事はできません。
お客様から選び続けてもらうためには、クレーム対応などもしっかりと行う必要があるので、忍耐力に自身がある人でなればやっていく事はできません。
おすすめの転職先
ここからは住宅営業からの転職先におすすめの職場を紹介します。
住宅営業で積んできた経験とは全く異なる業界に転職してしまうと、年収が下がってしまう恐れがあります。
従って、転職の要因を解決できる仕事の中から、これまでの経験やスキルを発揮できる仕事を選ぶことが、成功のポイントになります。
住宅営業のスキルや強みには、以下のものが挙げられます。
現職で培ってきたスキル(=アピールポイント)は?
以下にアピールポイントを紹介します。
・住宅ローンなど、住宅購入に関する知識
・プレゼンテーション力
・コミュニケーション力
・着工まで推し進める推進力
・コンサルティング能力
・交渉力
・フットワークの軽さ など
転職するなら、今までに培ってきたこれらの強みを活かせる仕事を選ぶと、年収を下げることなく転職を成功させることができます。
住宅営業は高いインセンティブが付き、お客様と一生のお付き合いをすることができる華やかな仕事であるという印象を持たれがちです。
しかし、今まで見てきた通り中々一筋縄ではいかない大変な仕事であるという事がわかります。
住宅営業の経験がある人が転職を考えるとしたら、どのような仕事が向いているのか。
ここからは住宅営業の経験を持つ人にオススメの転職先をいくつかご紹介します。
営業職に転職する場合
現職の住宅営業の経験を活かし、同じく営業職に転職する場合には幾つかのパターンが存在します。
一度の契約で数千万の額を動かしてきた皆さんであれば、他の営業職で活躍できる可能性が高いです。
以下に3パターンを挙げます。
別のハウスメーカー
「住宅営業の仕事は楽しいけど、今の会社がしんどい・・」という方はこの選択肢が一番良いかもしれません。
今よりも給与の良いホワイト企業のハウスメーカーに転職して、今までの経験を活かしながら働けるという点では、もっともおすすめの転職先です。
転職した人の口コミ
20代【ハウスメーカー】→【ホワイト企業のハウスメーカー】
先細りの住宅業界の中で疲弊していた中でも、住宅営業の仕事は楽しく辞めるつもりはありませんでした。
しかし、前職の会社の労働環境があまりにも過酷なため転職を検討するようになりました。
無事ホワイトのハウスメーカーへの転職が決まり、現在も大変ながら楽しい日々を過ごしています。
住宅営業の仕事は辞めたくないけど、今の会社に不満があるという方は別のハウスメーカーを検討する、というのが最もよいかもしれません。
今の会社に没頭する事で視野が狭くなり、他社の環境を調べないと後で後悔するかもしれませんよ。
無形商材の営業
住宅営業を経験した上で、異業種の営業に転職したいという場合、Web・IT業界や広告・メディア業界、人材業界など、無形商材の営業職が一番オススメです。
理由は以下の通りです。
・「商品に頼らず、自分の能力で勝負する」という前職の経験が活かせる。
・未経験からでも専門性を身につけやすい
・次なる転職もしやすくなる
・中長期的に給与・年収を上げやすい
無形商材の営業では決まった商品がないだけに自身の提案力や顧客管理を実施する管理能力などが試されます。
住宅営業は家が完成してしまうと付き合いこそあるもの、次にお金が発生するのはリフォームやメンテナンスなど数年後になってしまいます。
無形商材の営業であれば商材が何であれ顧客ターゲットは広がり、収入は安定します。
更に仕事をコントロールできるようになるため、住宅営業と比べて休日や残業を自分の裁量で調整する事ができます。
転職した人の口コミ
30代女性【住宅営業】→【WEB広告業界営業】
割と大手のWEB広告業界の企業に転職をし、今のところは順調に楽しく仕事ができていると思う。
自身の転職活動では「成長産業であること」「住宅営業で培った提案力を活かせる」「ワークライフバランスが重視できる」を軸にしていた。
現在の職場では前職の経験を活かし、ワークライフバランスを大切にしながら働けている。
メーカーの法人向けルート営業
「インセンティブなんかより安定した給与や休みが保障されている仕事が良い」という方には法人向けルート営業が一番向いていると思います。
顧客の開拓業務とは異なり、基本的に同じルートを回るため毎日の業務は安定し、給料も基本給メインなので安定しています。
法人ルート営業なら土日休みである事が多いうえに、定時退社も夢ではありません。更にその中で特におすすめなのが、メーカーの営業です。
メーカーは法人営業が基本で、更にルート営業が多い傾向にあるからです。
プライベートを重視して家族との時間もしっかりと取りたい、という方は給与も安定したメーカーの法人向けルート営業への転職を検討してみてはいかがでしょうか。
転職した人の口コミ
40代男性【ハウスメーカー】→【メーカーの法人向けルート営業】
前職では残業が余りにも多く、年齢的にも限界を感じたので転職活動を始めました。
前職のようなインセンティブこそほとんどないものの、安定した給与や定時で退社できる環境は私のニーズに非常に合っています。
家族と過ごす時間や趣味に没頭する時間をしっかりと確保できているのはありがたいです。
営業職以外で転職したい場合
営業職以外で転職したい、という場合は、業界や会社は変えずに他職種へ転職するのがおすすめです。
なぜなら「業界内の知識を活かしつつ、他の職種にチャレンジできる」&「他業界への職種のよりも容易」だからです。
ただしインセンティブが付かないことがほとんどなため、今よりも年収が下がりやすいです。注意しておきましょう。
社内でのマーケティング職、企画職、事務職などに異動
現在の会社で別の職種に異動するパターンです。
他の会社に転職するよりも実現しやすいので、「他社への転職を見込んで、現在の会社で様々なポジションを経験しておきたい」という方には非常におすすめです。
まずは上司に相談し、人事と繋げてもらうことで職種変更を成功させましょう。
経験を生かした転職を
「お客様の一生の買い物のお手伝いができる点」や「高額のインセンティブ」が魅力的な住宅営業の仕事ですが、大変なことも非常に多いです。
転職活動をする場合、自身のこれまでの経験を活かしながら仕事ができるという点を意識し、自分が望むキャリアやプライベートを実現できる職場を選択しましょう。
また、転職エージェントへ登録・相談すると、これまでのあなたの経験を基に転職先を紹介してくれます。
自力で転職を成功させることもできますが、エージェントを利用する事で得られるメリットも多く存在するのでぜひ利用してみてくださいね。