「転職したいけど、20代看護士の転職ってどんな感じなんだろう…」、「結婚や子供のこともあるから、転職するのはとても不安…」などのようにお考えの方は多いでしょう。
空前の転職ブームのなかで、転職がよく売り手市場といわれていますが、果たして本当にそうでしょうか。
今回は、看護士の転職事情を紹介しつつ、転職を成功させるためのポイントをまとめて解説していきます。
20代看護士の転職市場の現状
看護士に限らず、20代全体の転職は比較的にしやすいと言われますが、やはり他の職種とは違い、看護士特有の転職事情もあるようです。
それでは、まず20代看護士の転職事情の実態から見ていきましょう。
基本的に売り手市場
これは、転職したい看護士さんたちにとってはとてもいいニュースです。
少子高齢化が進んでいる今、医療業界市場全体へのニーズはますます高まっています。
ある調査によりますと、2025年頃までに、いまよりも50万人近い看護士の増員が必要になると考えられているくらいです。
しかし、看護士転職に関しましては、一般の会社員などの転職と比べても、都市と地方での転職倍率の高さに大きな違いが見られます。
具体的にいうと、看護士求人倍率は全国平均が約3.1倍のところ、東京周辺の関東圏が約3.5倍
で、九州エリアが約2.2倍です。
このように、都市と地方で明確な差が見られることも確かです。
また、当たり前かもしれませんが、地方には病院の数自体が少なく、希望の分野の病院を選ぶことができない、という事実も一つあります。
そのため、もし自分が働きたい地域が地方に属する場合は、「売り手市場」という言葉を真に受けることなく転職を考えることが必要です。
20代前半看護士の転職市場での評価
結論から申し上げますと、20代前半看護士の転職市場での評価はとても高いと断言することができます。
もしかしたら、「まだ看護学校を卒業してからあまり時間が経っていないし、そこまで実務経験があるわけではないんだから、転職は難しいのでは?」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。
しかし、転職市場では、その経験の浅いことを評価しています。
つまり、経験が浅い分、新しい職場に入ったとしても、その素直さと柔軟さから新しい知識を多く吸収することができるというのが評価されているというわけなんですね。
20代後半看護士の転職市場での評価
こちらも結論から先にいうと、20代後半看護士の転職市場も評価は高いです。
なぜなら、20代後半の看護士の方々は、「即戦力」として、新しい勤務先に貢献することができるからです。
20代前半の頃とは違い、一つの職場で鍛え上げられた経験やスキルを持っていることから、そのような評価が出てくるわけです。
とりわけ大病院など、いろいろな診療科がある病院で、さまざまな症例を経験し、それを仕事に活かせるような方は特に重宝されます。
しかし、20代前半のころに比べますと、結婚や出産といった、ライフスタイルの変化が生まれることが多い世代でもあると思われるので、家庭や子供のことがあり、週末や夜勤での勤務が難しい、といった事情がある場合、20代や他の世代と比べて転職で不利になってしますこともあります。
20代看護士の転職理由とは?
次に、20代看護士の転職の実態を把握するために、他の看護士の方々がどんな理由に基づいて転職をしているのか、ということについてみていきましょう。
主に以下の理由が考えられます。
- 収入アップが見込める
- キャリアアップが望める
- 仕事とプライベートの両立
- 職場の人間関係
- なんとなく転職したい
それでは、詳しくみていきましょう。
収入アップが見込める
収入アップのために転職することは、20代前半の方に特に多く見受けられます。
「基本給が低い」、「残業代がつかない」ということに不満を抱いて、夜勤などでガッツリと稼げる職場就きたい、といった場合です。
先ほど少し触れましたが、20代前半の方はまだ結婚されていない方々が多いため、夜勤などを他の世代に比べて任されやすいという事情があります。
また、20代前半看護士さんたち自身も、社会人になってもらえるお金も増え、「もっとお金が欲しい」という気持ちになるということもあります。
キャリアアップが望める
こちらを理由にする方々は、向上心を持って、「他のさまざまな現場に立ち会って見たい」、「専門性を高めて、もっと成長したい」と考えている方々です。
当たり前かもしれませんが、一つの職場では、担当できる業務の幅というのは一定限られています。
また、町のクリニックなどに勤めている方ならば、ある診療科の経験しかできない、なんてこともざらに起こりうるわけです。
自分の市場価値を高めるためにも、いろんな業務に接することは大変大事なことでしょう。
仕事とプライベートの両立
20代といえば、結婚・出産などの人生最大と言ってもいいイベントを控えている時期かと思います。
そんなライフイベントのかたわら、年を重ねるにつれて、任される仕事は多くなり、責任も重くなる一方です。
しかし、「せっかく頑張って資格をとったわけだし、変にブランクを作って看護士を終えたくない…」このようにお考えの方がいらっしゃるのも一定事実です。
そこで、そのようにお考えの方々が、「家庭のこともこなしながら、看護士を続けられる職場を見つける」というようなスタンスで転職活動に臨む方々が多いようです。
職場の人間関係
20代女性看護士は、よく精神上の問題を抱えて転職される方が多いです。
看護士という職種の性質上、女性が多い職場で、仕事以外のいざこざが多く起こってしまっているというのも事実なのです。
また、社会人を始めて間もないという事情もあり、「先輩看護士との関わり方がわからない」そう言った声もよく聞きます。
このようなことがあり、人間関係をもとに看護士転職を考える方が後を絶ちません。
ストレスは、心にとっての「毒」なので、我慢ばかりしていると、そのうち毒におかされてしまいかねません。
人間関係で辛いと感じたら、思い切って転職をして見るのも一つの手として有効です。
なんとなく転職したい
一般的に、看護士は生涯での転職回数が多いと言われています。
そのために、そんな噂を真に受けたり、「他の看護士たちが転職していっているから、私も転職しよう」と考えてします方も結構いらっしゃるのです。
しかし、特に理由もなく、なんとなく転職してしまったら、後々高い確率で後悔してしまいます。
後ほどお話ししますが、「自分はなぜ転職するのか」を明確にすることは、人生を豊かにすることにも繋がります。
20代看護士が成功するための秘訣
では次に、20代看護士が、どのようにしたら転職活動を成功させることができるのか、ということについて、3つのポイントをお話ししていきます。
- 新卒で入った病院に最低三年は勤める
- 将来のキャリアプランをイメージ
- 転職する理由を明確化
新卒で入った病院に最低三年は勤める
これは転職するに際して結構重要なことになってきます。
なぜなら、求人を出す段階で、「臨床経験3年以上」との記載がなされているところも結構あり、それ以下の年数ですと、門前払いされてします可能性が高いからです。
また、求人する人間の気持ちとして、前職を3年以下で辞めてしまう方というのは、「うちに来てもまたすぐに辞めてしまうのではないか」という不安を抱かせることにも繋がり、やはりあまりいい印象には繋がりません。
最低でも3年以上勤めることができれば、転職市場でも有利になることができます。
しかし、先ほども申し上げましたとおり、我慢は毒ですので、あまり無理はしないことは前提として考えましょう。
将来のキャリアプランをイメージ
「自分は一体どんな人生を歩みたいのか」、「どんな看護士になりたいのか」といった、人生目標を立てることは非常に重要です。
なぜなら、こういった目標があれば、「それに向かって今、どんな行動を起こすべきなのか」を自分で認識することができるからです。
そのため、まずは自分がどんな人間かを理解した上で、将来のキャリアプランを立ててみましょう。
転職する理由を明確化
将来のキャリアプランを設定することができましたら、今度は、具体的に「今、なぜ、転職をしなければならないのか」というのを紙に書き、可視化しながら考えてみましょう。
そうすると、「次の職場に求めるものは何か」というのが自然と導き出され、それが自分の転職の軸になります。
20代看護士の方々の転職理由の中で、「なんとなく転職する」という方が結構多いとふうにお伝えいたしましたが、それもこれによって解決することができます。
もしかしたら、「今の職場にいた方がいい」という結論が出ることもあるかもしれません。
20代看護士が転職で注意すべき点
20代の看護士はほとんどが初めての転職でしょう。
それでは、次にこんな20代看護士が転職で失敗しがちな7つの注意点を解説していきます。
- イメージだけで選ばない
- 教育制度の実態を確認
- 給与体系の実態を確認
- 残業体系の実態を確認
- ライフスタイルの変化に柔軟な職場かどうか
- 対応する患者さんの状況や配属先の確認
- 人の噂を間に受けない
イメージだけで選ばない
イメージだけで物事を決めることは、どんなことでも危険なことです。
例えば、「今は大病院で働いているので、毎日対応する患者さんが多くてとてもきつい。でも、町の小さなクリニックとかに行けば、もっと気楽な気持ちで仕事ができる」なんて考えている方、多いのではないでしょうか。
確かに、小さなクリニックで落ち着いている雰囲気なところはありますが、すべてのクリニックがそうなるというわけではありません。
小さくても人気な病院であれば、その分患者さんは多いですし、看護士も忙しくなります。
そもそも、忙しくて人手が足りないから求人を出しているわけで、そんな甘い世界はありません。
また、 ネームバリューで選ぶ、と言ったようなことも危険です。
同じ系列であっても、それぞれの病院の実情は違うことも多々ありますので、しっかり確認する必要があります。
教育制度の実態を確認
教育制度が整っていることを確認するのマストです。
求人自体には、プリセプター制度があり、先輩が一から教えてくれる、と書いてあることは多いです。
しかし、実際は先輩からのサポートはあまりなく、結局全部自分で勉強しなければならなかったというケースは非常に多いです。
先輩が忙しい、という事情もあるのでしょうが、その病院にはどんな教育制度が敷かれているのか、を直接聞くなどして、確認してみましょう。
自分で聞くのが気がひける、という場合には、転職エージェントに頼ってみるのも、手段として有効です。
給与体系の実態を確認
こちらはシビアな問題ですね。
求人票に25〜40万(手当込み)と書かれている場合、結局いくら払われるのかわかりません。
また、求人票に書かれている金額は基本給プラス夜勤手当である場合があるため、その辺りは実際に転職先に問い合わせるしか確認の方法がありません。
スキルによっても、この額は大きく変わることがあるので、給与交渉などもする必要があることもあります。
残業体系の実態を確認
また、給与関連でさらに付け加えておきますと、残業時間の実態についても確認する必要があります。
夜間残業はどれくらいあるのか、前残業(定時前に出社して働く)にも残業代がつくのか/できるのか、など、細かいことまでチェックする必要があります。
特に前残業に関しては、あまり重要視される看護士さんがいらっしゃらないのですが、積もり積もると、結構な額になってきますので、こちらについてしっかりと確認する必要があります。
ライフスタイルの変化に柔軟な職場かどうか
先ほども申し上げました通り、20代は結婚や出産などの大きなライフスタイルの変化が起こり
そのため、そのような変化に対し、柔軟な対応をとってくれるかどうか、というのは転職先の条件として気をつけなければなりません。
例えば、同じ世代が働いている職場なら、自分の状況を理解してくれる可能性が高いでしょう。
また、子供に関する福利厚生が整っている(保育所が近くにあるとか、併設されているとか)などの条件があれば、働く人の生活状況を考えてくれているといった証拠になります。
対応する患者さんの状況や配属先の確認
病院によって、対応する患者さんは変わってきます。
大病院であれば、あらゆる症例を持った患者さんで、クリニックであれば、特定の箇所を悪くしてしまっている近所の方々がメインで、介護施設であれば、ご高齢の方々がメインになります。
そのため、自分はどんな患者さんを対応するのか、また、その病院のどんな部署に配属されてどんな仕事をやるのか、を具体的にイメージできるまで調べたり、考えたりする必要があります。
人の噂を間に受けない
転職活動をしていると、周囲の方々からの噂や、SNSでの噂が目につくことがあるでしょう。
しかし、そんな噂は、正直根も葉もない意見だったりすることが多く、みなさんは理想の転職をするために、真実と嘘を見抜かなければなりません。
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これは、転職先の企業が、求人のためにエージェントにお金を払っているから成り立っていることなんですね。
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まとめ
これまで20代看護士転職の実態や成功の秘訣、注意点などをお伝えしてきてきました。
なんでもそうですが、悩む時に一人で悩むのはとても危険です。
転職で悩むことがあったら、人に頼ってもいいんです。
転職を通して、20代看護士のみなさんが、理想の人生を送れることをこころより祈っています。