「第二新卒ってよく聞くけど、実際のところどんな感じなの?」、「第二新卒の転職市場が知りたい!」こんなふうに考えている方は多いでしょう。
新入社員の3年離職率が30%もある現在、就職してから短い間で離職して、転職活動を始める第二新卒は決して少なくありません。
そこで今回、第二新卒にとって最適な転職タイミングと転職活動を絶対に成功させるためのコツを解説していきます。
目次
そもそも第二新卒とは?
そもそも、巷で叫ばれている「第二新卒」の意味についてしっかり確認しておきましょう。
大手転職サイトの「マイナビ」によりますと、「新卒入社してから3年未満の転職希望者」のことを指す言葉として作られたようです。
他の転職記事なんかを見てみましても、共通しているのは、「少しでも社会人として仕事を経験したことのある方」や「前職の経験を活かせるまでも行っていないくらいの方」なんかを指す、というふうに定義されていることが多いです。
結論として、総合的にまとめてみると、「新卒に限りなく近いけれど、新卒よりは社会人経験のある求職者」ということになります。
第二新卒はかなり優遇される?
ここまでは第二新卒の定義についてみてきました。
一昔では、「石の上にも三年」という考え方がかなり浸透していて、就職三年以内での転職は基本的に「根性が足りない」という負のラベルが烙印されることがほとんどでしたが、やはり現在ではそうではなくなったようです。
むしろ、優秀な第二新卒は、どの企業も欲しがっているといっても過言ではありません。
企業が第二新卒を優遇する理由は?
それは、新卒採用における問題と関係してきます。
日本政府の有効な施策や世界的動向により、日本の景気は緩やかに回復傾向にありますが、それとともに新卒採用の枠も増え、企業は積極的に採用活動を進めています。
しかし、どの企業も積極的になっているために、採用業界でも、より優秀な人財を採ろうとし、予定していた人数目標を達成できない、という事実もあるんです。
これを早急に補充すべく、第二新卒が求められている、という事情があるわけなんです。
転職市場が盛り上がりを見せていく中、今後これらの傾向はまずまず高まってくると思われます。
企業が第二新卒に求めている資質とは?
だからといって、企業がどんな第二新卒を受け入れたいというわけではありません。
先ほども述べました通り、新卒ではないけれど、新卒に限りなく近くて社会人経験のある求職者が第二新卒です。
ですので、企業側としては、「前の会社に染まりきっておらず、柔軟性がある」ことや、「基本的なマナーなどを身につけており、研修が楽にすむ」などといったメリットが考えられるのです。
つまり、会社にとって第二新卒は、育てやすい人財である、ということが言えますね。
また、企業の人事に対するアンケートの結果、「どんな人財を重視するか」という項目では、「入社意欲の高さ」や「コミュニケーション能力」、「自社の風土にあうかどうか」など、その人の人柄的な部分が重視されるという結果が出ています。
そのため、前職で経験したことのない業種や職種でも、人柄や意欲がしっかりしていれば挑戦することもできるわけです。
新卒で入社した会社と、本当に行きたい会社との間のギャップに悩まされている方なんかも、転職するのにとてもグッドタイミングであるということがいえます。
第二新卒にもデメリットあり
しかし、第二新卒には特有のデメリットもあります。
それは、企業に、「短期間で新卒の会社を辞めてしまっている人であり、うちの会社にきてもすぐ辞めてしまうのでは?」と思われてしまっている点です。
企業も多額の投資をして中途採用活動をしているわけで、すぐ辞めてしまうような人材は求めていません。
そのイメージを払拭するには、前職において、なぜあなたは短期間でその会社を辞めなければならなかったのか、自分の強み・弱みはなんなのか、どのように改善していこうとしているのか、など、あらゆることを考えなければなりません。
第二新卒の5つのメリット
ここまででも若干触れてきましてが、ここで改めて第二新卒の、企業の視点から見たメリットについて、説明していきます。
- 基本的なビジネススキルが身についている
- 元の会社の色が染み付いておらず、社風に馴染みやすい
- 柔軟で、適応能力が高い
上記の3点は、先ほどもご説明しました。
社会人経験が短いのにも関わらず、ビジネスマナーを教える手間が少ないため、もし新卒と同じタイミングで研修を行ったとしても、早いうちから現場に送り込むことができます。
- まだまだ若く、将来性・ポテンシャルが期待できる
- 自己の目標がはっきりしている
20代中盤の第二新卒は、一度社会人としての経験を積んだ上で、かつ前職を辞めてまで入社するわけで、新卒よりもより明確な意思を持っていることが多いです。
また、実際に社会人として働いてきて、そして日々の生活を送る中で、実際に社会人として働いて生きた経験をすることで、これからの自分の人生の目標や具体的な人生のステップについて具体的に考えられるようになります。
このように、新卒よりも自我がはっきりしている第二新卒は、企業側としても、「明確な意思を持っていて、かつ社会人経験のある若者」として評価されるということなのです。
第二新卒転職に適切なタイミング
上記のように、第二新卒にはメリットとデメリットを同時に備えて、転職市場ではおおむね高く評価されているようですが、やはり注意しなければならない点もあります。
その一つ目は、転職のタイミングに注意しなければなりません。
というのは、あまりにも前職での経験が浅いと、社会人としての経験が十分に身についているかどうかが疑われてしまうことが多々あり、さらに短期間で前職をやめたということは、多くの企業では決して心証のよいことではないからです。
1年未満の転職はなるべく避けるべき
一つの目安として、1年未満で転職するのはやめたほうが無難でしょう。
というのも、どんな会社であっても、ストレスはあるのだから、1年は少なくとも耐えなさいよ、という理屈からです。
また、一般的に社会人として基礎を身につけ、仕事の流れを把握するには、だいたい1年間がかかるため、経験を積むという意味でも、1年くらい働いてから転職したほうが望ましいでしょう。
もちろん、ブラック企業に入社してしまって、パワハラ、セクハラにあったり、どうしても人間関係がうまくいかなかったりする場合は、無理をせずすぐ転職したほうがおすすめです。
第二新卒が転職しやすい時期とは?
以上の理由で、ある年の四月に入社し、その翌年の4月をめどに転職したい場合は、だいたい年末の12月と年明けの1月あたりから転職活動を開始させたことが一般的です。
企業もその時期を狙って、求人を多く出したりするなど、転職活動にとっての好時期といえるでしょう。
しかし、そのいっぽう、第二新卒がみな同様に考えているため、その意味では競争も激しくなります。
それでは、第二新卒におすすめの転職しやい時期を解説していきます。
1月から3月の転職活動
この時期は、一年の中でも、第二新卒むけの求人量が一番多い時期という理由で、一番人気の高い転職時期です。
しかし、さきほどもお話ししたように、求人量が多くなる分、熾烈な「転職戦争」に巻き込まれてしまう可能性もあります。
第二新卒はだいたい仕事をしながら転職活動をしているため、年末年始の忙しい時期と転職活動が重なってしまうと、体力的、精神的に苦痛を感じてしまうかもしれません。
そのため、前職で十分な社会人経験を身につけて、転職活動を短期間で終わらせる自信のある方は、この時期での転職がおすすめですが、自分自身のキャリアにそれほどの自信もなく、転職活動が長引いてしまいそうな方々は、繁忙期の年末年始を避けたほうが無難でしょう。
7月から9月の転職活動
この時期は、決算期と重なるため、決算期に向けた仕事が終わったタイミングで、求人の増える傾向もあるようです。
また、この時期も人事異動がしばしば行われる時期ですので、転職する人が多いというのが実情としてあります。
夏のボーナスが手に入るのもこの時期ですので、それをもらった後に転職をきめる、という方もかなり多いです。
年末年始ほどの熾烈な競争に巻き込まれることなく、比較的にゆっくり転職活動ができるのは、この時期にあたるため、少しキャリアに自信のない方々にはおすすめです。
通年採用を行なっているところもある
いうまでもありませんが、上記の時期以外に転職ができない、というわけでもありません。
1年を通して通年採用を行なっている会社もたくさんありますし、それぞれの会社の事情でしばしば不規則的に求人が出たりします。
「いいタイミングの時期が来るまでやらなくていいや」という姿勢では、転職のチャンスを逃すだけなので、転職活動では「思い立ったが吉日」という姿勢が大事でしょう。
第二新卒の方が、犯してしまう4つの失敗とは?
ここからは、第二新卒として転職する際に、やってしまいがちな代表的な失敗を4つ挙げました。
これまでの事例を参考にしていますので、これから転職活動に臨む第二新卒にとっては、有効な参考になるでしょう。
転職先を決める前に退職する
これ、結構危険なんです。
「とにかくいますぐ仕事を辞めたい」と、後先考えずに退職してしまうと、大変なことになってしまいます。
転職者の視点で言えば、次の転職先が見つかるまで、お金を得ることができず、生活に困ってしまう、ということが挙げられます。
貯金を崩して生活、というのも一つの手ではありますが、20代中盤のかたで、しばらくの間生活に困らないくらいの貯金ができている方というのは、あまり多くありません。
生活のことで焦るあまり、転職活動にまでしっかり頭が回らず、理想の転職ができない可能性もあります。
会社を辞める原因を、会社や人のせいにしている
「あの上司が嫌だから」、「雰囲気に合わない」、「仕事内容が合わない」これらは、転職者がよく使う転職理由です。
ほとんどの人が、自分がそうなってしまった状況について、他人や会社自体のせいにしようとします。
しかし、本当にそうなのでしょうか。
人間関係に関して言えば、他人に合わせられなかった自分にも責任がありますし、仕事に関して言えば、自分の能力が追いついていなかったという事情もあるのではないでしょうか。
今一度、結果に対する原因を、自分ベースで考えてみてください。
そうしないと、また次の職場でも同じことを繰り返します。
新卒時の就職活動と同じ考えでしてしまっている
新卒では、多くの会社の説明会へ、そして多くの会社にエントリーというのが主流になっていますよね。
あなたが就職活動していた時もそうだったかと思います。
しかし、第二新卒で必要なのは、「会社とのミスマッチ」です。
志望する会社を絞り、徹底的に研究することが大事になってきます。
会社を辞めるために転職を決めている
今の会社の不満ばかりが転職理由となり、実際に転職を決意する第二新卒の方は多いです。
しかし、転職してからどうしたいのか、将来的にどんな状態になっていたいのか、などの未来のビジョンがないと、転職先でもうまくやっていくことは難しいですし、そもそも転職活動に失敗する可能性が高いです。
転職を決める際は、自分の人生について深く考える必要があります。
第二新卒が転職に際して、注意しなければならないこと
先ほどの失敗例を踏まえ、第二新卒の転職に際して、どんなことに注意すべきなのかについて、具体的に検討していきます。
具体的な対策について6つまとめましたので、しっかり確認してください。
本当に辞めるべきかどうかを、しっかり考える
今現在「辛い、辞めたい」とおもっている会社であっても、曲がりなりにも新卒であなた自身が決めた会社です。
自分の置かれている状況や、もちろんお金のことも含めて、「今、本当に辞めてもいいのか」を改めて考えましょう。
会社的に言えば、「自分の後任がいるのかどうか」などについても考慮する必要があります。
現状している仕事を続けながら転職活動をする
先ほどもお伝えしましたが、収入源を持ちつつ転職活動するということはとても大切です。
ここに関しては、口を酸っぱくして言いたいです。
私は、今まで転職者のかたを何人もみてきていますが、生活費に気を取られて転職活動に集中できず、結局また転職するパターンが本当に多いんです。
だからこそ、この記事をお読みになっているかたには、この「現状している仕事を続けながら転職活動をする」という項目を守っていただきたいのです。
第二新卒は、未経験業種・職種に転職できる最後の機会であることを自覚する
「新卒で働いているこの業界は私に向いていない!◯◯の業界に入りたい!」
こんなことをお考えの方も多いです。
第二新卒なら、それが叶います。むしろ、第二新卒でしか、それが叶えられません。
企業の人事としても、3年以内に辞職した第二新卒を、「中途採用者」の即戦力としては考えていません。
むしろ、過去にしてきた実務の経験よりも、ポテンシャルが重視されます。
人事にそんな風に思ってもらえる時期は、この先この時期しかないので、未経験業種・職種が気になっている方は、この機会を必ず利用しましょう。
まずは1年働いてみることも大事
お金の面に関して言えば、まずは1年働いて見ることも大事です。
なぜなら、1年働くとボーナスが二回受け取れますし、失業保険によって、いくらかお金を受け取ることもできます。
もしどうにもならない理由で退職したとしても、それらによって当分の間、生活の糧にすることができます。
数をこなしていく
先ほど、「第二新卒では、新卒の時みたいに多くの企業を受けるべきではない」ということをお伝えしました。
しかし、時としてそれが有効になる場合もあります。
つまり、面接の練習などは、あまり興味のない企業を受けて鍛えることができます。
その意味で、選考をどんどん受けて見るのはいいことでしょう。
時期うんぬんよりも、準備することが大事
時期を気にするのもいいですが、「転職したい」と感じた今すぐにこそ、いろいろと準備を進める必要があります。
先ほどお伝えしたように、時期にあまりにもこだわりすぎると、転職のチャンスを逃してしまう可能性も非常に高いので、基本的に準備ができ次第、転職活動を始めたほうがよいでしょう。
転職を絶対成功させるためにやるべきこと
第二新卒転職成功の秘訣を、以下の5点にまとめました。
全てこなすことができれば、確実に理想の転職をし、明るい未来が待っています。
では、見ていきましょう。
自分の能力の棚卸しをする
まずは、能力の棚卸しをしなければなりません。
「能力の棚卸しってなんだ…」と思う方もいるかもしれませんが、そこまで難しくないです。
これは、自分にできることを羅列することです。
自分にできることをはっきりと可視化することによって、「自分が社会や他人に対し、どんな価値を与えることができるのか」ということがはっきりとわかってきます。
転職を考える際には必ず行う必要のあるものです。
自分が企業に求めるものをリスト化し、優先順位をつける
自分の能力の棚卸しが終わりましたら、それも参考にしつつ、今度は会社にどんなことを求めるのかを上げていきましょう。
例えば、「給料が25万円以上」や「海外で働けるチャンスがある」などです。これら自分の希望条件をくまなく上げていきます。
一つ残らずあげることができましたら、次に希望条件に優先順位をつけていきます。
どうしてもなくてはならない条件(ニーズ)を頂点として、なくても大丈夫な条件(ウォンツ)を底辺にして羅列します。
業界分析・企業分析をしっかり行う
次に、自己分析を通して知った、自分の志望する業界や企業の研究を行います。
まずは、インターネットなどの電子情報がメインになるでしょう。
しかし、ネットにはいろんな情報が溢れかえっており、どれが真実なのかを見極めることはとても難しいです。
そこで、この記事を読んでいる皆さんにはぜひ、その業界・会社の社員や関係者などに会って、実際に話してみることをオススメします。
いきたい企業の社員さんに3人くらい会えば、その会社の大まかな雰囲気などがわかったりしますし、生だからこその情報を知ることができます。
転職理由や目的を改めて考え直す
以前の会社をなぜ退社しなければならなかったのか、この会社に入るにあたって、どんな目的を持っているのか、を改めて考え直しましょう。
これをすることによって、結果的に理想の転職に繋がりますし、何より面接の時に本当に話しやすくなります。
転職理由を固めると、企業からのウケがかなりいいです。
なぜなら、企業は第二新卒をポテンシャル採用しており、はっきりとした目的を持って長く働いてくる人材を求めているからです。
転職エージェントを利用する
ここまでで、自分だけで行える転職活動について述べてきました。
しかし、「一人だと、イマイチやる気が出ない…」という方や「誰か相談できる相手が欲しい!」そんなふうに感じる方もいるでしょう。
そこで重要になってくるのが、「転職エージェント」の存在です。
以下の章では、転職エージェントについて、詳しく述べていきたいと思います。
転職エージェントについて
基本的にどの年代の転職者でも、転職エージェントの利用がおすすめです。
そもそも転職活動ということは、想像以上に大変な労力と時間がかかるものです。
これを全部自分一人でやることは、絶対に不可能というまではありませんが、なかなか大変なことに違いないです。
そのため、転職のプロである転職エージェントの力を借りることによって、転職活動をよりスムーズにすすめることが可能になります。
ここから、転職エージェントのイロハについてお伝えしていきます。
転職エージェントを利用することのメリット
それでは、転職エージェントを利用することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。
豊富な求人を所有している
自分一人で転職活動をし、求人を探すとなると、あらゆるサイトを参照しながらそれぞれを比較しなければなりません。
しかし、転職エージェントに登録しておけば、無料で多くの求人を見ることができます。
一つのサイトの中で比較しながら探すことができるので、非常に利便性が高いと言えますし、お目当ての求人をうっかり見落とす、なんてこともありません。
優秀なコンサルタントが、転職の支援をしてくれる
転職エージェントに登録すると、一人一人の転職者に、専任のキャリアコンサルタントがついてくれます。
彼らはこれまで多くの転職希望者を転職成功に導いてきた、転職のプロです。
一度登録して会ってみれば、その優秀さがわかるかと思います。
希望条件をもとに、自分にあった求人
その優秀なキャリアコンサルタントは、自己分析のところで出した、会社に求める希望条件をもとに、自分にあった求人をいくつか提案してくれます。
自分にあう求人を探すのは、とても大変です。
しかも、仕事をしながら転職活動をするという第二新卒の方にとっては、忙しい中で少しでも転職活動に割ける時間は削りたいというのが本音でしょう。
転職のプロのキャリアコンサルタントが提案してくれる求人なら、これほど安心感のあるものはありません。
無料で転職のサポートをしてくれる
さらに、転職サイトによっては、キャリアコンサルタントが転職に必要な書類作成や面接の対策をしてくれる場合もあります。
選考の過程では、もちろん面接もあります。
学生の時に受けた面接の時とは、質問される内容の量や質がまるで異なります。
そこで、そんな実態を把握するためにも、キャリアコンサルタントにアドバイスを求めることが重要になります。
しかも、重要なのは、求職者はこれらの転職サービスを全て「無料」で利用することができるのです。
これは、転職エ―ジェントに対して、企業側が掲載料としてお金を払っているから実現できることなのですね。
あらゆる対策をし、理想の転職を!
いかがでしたでしょうか?
ここまでで、第二新卒の方にむけた転職のイロハをお伝えしてきました。
ここで学んだことを、ぜひ実際の転職活動に役立て、そして皆さんの人生にとって、プラスな影響を与えることができたなら本望です。
では、夢に向かって走りましょう。