ライフイベントの影響を男性よりも受けやすいとされる女性は、転職しようとしても、どのようなタイミングに転職すればよいのかが難しいものです。
というのは、転職のタイミングが悪いと、思う通りに転職活動がうまく進まなかったり、転職受け入れ先企業が限られてしまったりする可能性もあるため、ベストな転職タイミングをしっかり見計らってから転職したほうがよいでしょう。
それでは、女性が転職に失敗しないようにベストなタイミングを解説していきます。
目次
女性の転職と年齢
男女を問わず、基本的に年齢をとればとるほど、転職がしづらくなる傾向が見られますが、男性なら40代以降でも、管理職としての経験の持ち主であれば、管理職を必要とする会社に転職する可能性は十分にあります。
しかし、その一方、女性に限って「35歳転職限界説」があります。
「35歳転職限界説」って本当?
いわゆる「35歳転職限界説」というのは、女性の転職が35歳を限界として迎えて、それ以降に転職をしてもキャリアアップがなかなか望めないという昔からの説です。
一般的なキャリアの考え方としては、20代は可能性を探る時期、30代は専門性を確立していく時期、40代は専門性を自分らしく生かす時期となっているようです。
しかし、女性は自分の専門性が大体決まってくる30代という、アクセルを踏み込もうとする時期に、結婚や出産のタイミングが被りやすくなっているのです。
中途で入社する人には即戦力で活躍してほしいと考えているのに、ライフイベントと重なっては成長スピードが鈍ってしまうと敬遠する会社があるのも事実となっています。
世の中には若い人のほうが良い、ワーキングマザーは扱いづらいと考えている会社もまだまだ存在しています。
それでも転職を諦めるのも早い
しかし、なぜ女性だけが30歳までに人生を決めなければいけないのかと考えると、そのような考えを持つ会社ではなく、ライフイベントも含めて、キャリアを一緒に創っていこうと考えてくれる会社を選ぶことがおすすめです。
誠意をもって仕事をして、周りの人から応援されるような人になると、ライフイベントもキャリアに含めることができます。
転職しようとするなら、まず自分のキャリアを見直し、今は具体的なプランがなかったとしても仕事を通じてどうなりたいか、自分の理想とする働き方などをイメージすることから始めましょう。
30代の期間を「次に大きく飛躍するための準備期間」ととらえて行動すれば、転職もうまくいき自分の未来もいい方向に変わってくるでしょう。
ベストな転職タイミングはいつ?
女性向け転職サイトの調査によると、30代女性の約65%は、結婚・出産の前後に転職をしているというデータがあります。
そのなかでも特に多いのが、結婚してから妊娠、出産をする前に転職するという方です。
そのため、この結婚前後が女性が転職すべきベストなタイミングといえます。
しかし、結婚をしてからすぐ出産を控えたりする女性の方もたくさんいるため、女性が転職するベストなタイミングは出産予定日の一年以上前となっています。
理由としては、育休が取れないという可能性があるからです。
育休の取り方には要注意
詳しく説明すると、労働基準法では出産前6週間(双子以上の妊娠の場合は14週間)は妊娠中の女性が申請した場合、会社側は必ず産休を与えなければならないと定められていますが、育休に関しては少し異なります。
育休は、入社日から1年未満の従業員が申し出た場合、会社側は労使協定という会社と従業員の間で締結される書面による協定に基づいて、拒否することが許されています。
これらの理由から女性が転職をすべきタイミングは出産予定日の一年以上前となっていて、転職後の会社では育休明けも長く働きたいと考えている方は、転職してから最短でも一年後に子供を授かれるように家族計画も含めての転職のタイミングを検討することがおすすめです。
女性の4つの転職タイミング
上でベストな転職タイミングを紹介しましたが、それはあくまでももっとも一般的とされている転職タイミングで、その他にもおすすめの転職タイミングが4つあります。
具体的に、
- 結婚前
- 妊娠前
- 育児休業復帰前
- 末っ子の小学校入学後
結婚前
結婚前が適している理由は自分の意志だけですべてを決定できるからです。
夫婦は経済共同体であるため、自分の収入が家計に影響するようになってしまいます。
そうすると配偶者の意思も無視はできません。
さらに、結婚すると配偶者の転勤というライフイベントが発生する可能性もあり、それに伴う退職者も多いのが現状となっています。
妊娠前
今後子供を持つ予定があり、転職したいと考えているのであれば妊娠前がチャンスです。
妊娠、出産は予期せぬことの連続であり、突発的に長期で会社を休まなくてはならないこともあります。
そんな時は、慣れ親しんだ環境でよくしている上司や同僚と仕事をしていたほうが、余計な気を使わなくて済むため楽です。
そのため、妊娠してからの転職はリスクがあるため、妊娠前が一つの転職タイミングとしてあげられます。
育児休業復帰前
育児休業中に自身のキャリアを見直す女性はとても多くなっています。
専業主婦になろうかなと考える人や、一刻でも早く仕事に復帰したいと考える人もいます。
これは実際に産んでみないと自分がどう考えるかわかりません。
育児休業中は仕事から離れているため、冷静に自分のキャリアを見直しやすい時期になっています。
幼い子供を抱えて働く大変さを伴う中、自分は何が得意でどんな仕事をすれば貢献できるのか考えることができます。
末っ子の小学校入学後
日本の平均出産年齢は約30.4歳であるため、2歳差で2人産んだとしたら38歳くらいのタイミングです。
専門性がきっちりと確立され、マネジメントもある程度経験して、40代をどう過ごそうかと考える時期です。
ある程度子どもも手が離れるので、もう一度自分らしい働き方を模索して、活躍の場を外に求めることもよいかもしれません。
40代に突入すると、転職というより即戦力のプロフェッショナルを引っ張ってくるというヘッドハンティングに近くなります。
その直前の段階での転職ですから、当然経験豊かなプロとしてみなされています。
20、30代でありがちな職場環境や待遇に不満があるという動機では職場は決まらないのでそういう意味では、慎重に期するタイミングでもあります。
企業選びに注意すべきポイント
これまで転職をするタイミングについて紹介してきましたが、転職をするうえでの企業選びのポイントも紹介していきます。
初めて転職する場合どのような企業を選べばいいのかわからず、失敗してしまう方も多いでしょう。
よくある企業選びの失敗例を少し紹介するので、同じような失敗はしないようにしましょう。
- 知名度や企業規模だけで選ぶ
- 仕事内容だけで選ぶ
- 給与だけで選ぶ
- 勤務状況や福利厚生を考慮しないで選ぶ
このような選び方をしてしまうと、せっかく転職をしてもまたすぐやめなければならないということになってしまう可能性があります。
そのようなことにならないように企業選びの際に注意すべきポイントを紹介します。
- 女性向けの福利厚生が充実しているかどうか
- 昇格・昇給制度があるか
- 仕事にやりがいを見出せるか
- 専門性を高められるか
このようなポイントを注目することにより、育休・産休などの制度もフル活用でき、生き生きとした生活が送れます。
そのため、大企業や給与だけで選ばずに、きちんと制度などを調べてから転職先を決めるようにしましょう。
まとめ
女性は結婚、出産などのライフイベントの影響を受けやすいため、転職が難しいのではと思われることが多いですが、きちんとタイミングを考えて転職すればキャリアがより充実したものになるでしょう。
結婚後に転職をしたいと考えている方は、出産予定日の一年前よりも後に転職をし、育休がとれないということにならないように、出産のタイミングはよく考えて転職活動をしましょう。