転職に際し、志望動機の作成は必須ですよね。その出来によっては自身のスキルや熱意がうまく企業に伝わらず、不採用に繋がる場合もよくありませんか?
そこで今回は「企業から志望動機を聞かれる理由」や「志望動機を作成する際のポイント」など、転職の面接を受ける前に確認しておきたいことを徹底的に解説していきたいと思います。
志望動機を聞かれる理由
転職の面接の際に志望動機を聞かれる理由としては主に2つが挙げられます。
一般的に、志望動機から自社の理念と社風のマッチ度や志望度の確認が最大の目的です。
ではこの二点についてもこれから詳しく説明していきたいと思います。
自社の理念と社風のマッチング度を確かめるため
自社の方針や理念にあった人材かどうかを見極めたい思いが企業にはあります。
「御社の○○事業に興味がある為、志望します」「△△の仕事を通じ、貴社の発展に貢献したい」という志望動機があったとしても、会社の方針や理念と異なる考え方だった場合、入社後に対立が起きる可能性があります。
そうしたミスマッチを防ぐために企業は応募者の志向性を志望動機から判断するのです。
転職先と自身の今後の人生の為に、面接の前には企業の理念や方向性をしっかりと確認しておきましょう。
志望度を確かめるため
自社への志望度を確かめたい思いが企業にはあります。
せっかく人材を募集するからには長く、熱意をもって働いてくれる人を採用したいのが企業側の本音です。
ですから、面接の際には企業への熱意を惜しみなく伝え、自分の志望度を企業に認識してもらうのが大事です。
志望動機を書く前に確認すること
ここでは志望動機を作成する前に確認しておきたい前提についてまとめます。
転職に際しては、闇雲に面接に臨むのではなく「自分がなぜ転職をするのか」「転職先でどのようなことを実現したいのか」を事前に明確にすることで、堂々と本番に臨めるようになります。
自分がなぜ転職をするのか
まずは現在の職場を離れる理由を考え、新たな職場に何を望むのかを明確にする必要があります。こうする事で自身が転職する理由が明らかになり、転職活動のゴールもはっきりするでしょう。
新しい職場に求める条件が明確になる事で、面接に臨む企業の数を絞り込むことも可能になります。
転職先でどのようなことを実現したいのか
転職先の企業でどのようなことを実現したいのかを明確にする必要があります。
なぜならその企業に入社し、どのようなことを実現したいかを伝えることで「熱意を持って長く働いてくれる人材」だと認識される可能性が高いからです。
面接官にポジティブな印象を与える為にも、自身のキャリアビジョンを固めておくことは非常に重要です。
志望動機の作り方
ここでは志望動機の作り方について書いていきたいと思います。具体的なポイントを3つ紹介するので是非参考にしてみてください。
ポイント① 転職先で自分の経験を生かせることをアピールする
面接では企業があなたを採用することによってどのようなメリットが生じるかを見られます。能力やスキル、価値観や熱意など、様々な要素で企業に貢献できることを示すようにしましょう。
採用側のニーズを的確に捉え、そのニーズに沿った人材である旨を伝えることができれば、採用の確率も大幅に上がるでしょう。
ポイント② 転職後のキャリアビジョンを伝える
入社して経験を積んだ後にどんな仕事がしたいか、を明確に伝えることでその企業に対する熱意や志望度の高さをアピールできます。その企業の事業展望や目指している方向に絡めて、志望動機を作成するようにしましょう。
企業のビジョンと自身のキャリアビジョンが一致していることを上手く伝えることができれば、「同じ方向を向いて頑張ってくれそう」と思われる可能性が高くなるでしょう。
例えば
・商品開発に携わり、業界を代表する商品を作り出したい
・エンジニアとしてサイト構築に携わり、自分のスキルを磨きたい
・御社の海外進出においてマーケティング職として活躍したい
・経営幹部として新規事業の立ち上げをおこないたい
など、面接官がイメージしやすいように具体的な職種を挙げるのも良いですね。
ポイント③ 「なぜその企業を志望するのか」を明確にアピールする
「自分の経験が生かせるポイント」や「転職後のキャリアビジョン」が明確になったら、志望動機の完成まではもう少しです。
あとは「なぜその企業を志望するのか」を具体的に伝えることで、志望度の高さを伝えることができます。同業他社と比較し、その企業でなければならない理由をしっかりと話せるようにしましょう。
たとえば事業展開を行う上での考え方や業界シェア率と絡めて伝えると良いでしょう。理念や社風はその企業ならではのポイントなので、しっかりと理解した上で自分のことをアピールしましょう。
実際の回答例
では具体的な作成例も紹介したいと思います。
今回はわかりやすいようにこれまでに挙げた3つのポイントを踏まえて作成例を挙げていきます。是非参考にしてみてくださいね。
転職先で自分の経験を生かせることをアピールする
前職で培った経験やスキルをしっかりと伝え、転職先でも活躍できることをアピールしましょう。
例文①:エンジニア
前職では開発言語を使いながら自社サービスの開発に取り組んできました。
今後は、システム開発の上流に関われる力を身につけたいと考えており、開発の上流から下流まで関わる事の出来る貴社を志望しております。前職での経験を基に、利益・売上の観点もしっかり身に着けながら、クライアントに喜んでもらえるシステム開発をして、御社に貢献していきたいと思っています。
例文②:保険業界
前職の証券会社で培った営業スキルをさらに高め、より自分を磨きたいと考え御社を志望しております。
私は前職で、支店売り上げ1位を三期連続で達成してきました。支店の売り上げを伸ばすにはチーム内での協力が不可欠であり、仲間との信頼関係は大きなものでしたが、私自身営業というのは個の能力で勝負すべきと考えており、それを評価してくれる環境で働きたいと思っています。御社は成果主義を公言しており、会社に貢献した分だけ評価を受けることができます。入社できた際には、周囲と競争し、時には協力し合いながら貴社の成長の一翼を担う営業マンとして活躍したいです。
2.転職後のキャリアビジョンをアピールする
その企業でどんな仕事がしたいのか、を明確に盛り込むことで非常に説得力のある志望動機にすることができます。
例文①:食品メーカー
私は世間の健康志向の高まりに応えることのできる商品開発を貴社の環境で成し遂げたいです。そしてお客様の声に耳を傾け、味だけにこだわるのではなく健康を維持することのできる商品を世に提供していきたいです。
貴社の海外事業においては前職の経験を生かし、海外の食文化に根ざした戦略立案を行い、貴社全体で食による幸せを提供していきたいです。最終的には年齢層や地域に関わらず、全世界の食生活と健康を支える解決策として、安心・安全な日本の食を届けていきたいと考えています。
例文②:広告業界
私が貴社で成し遂げたい事は大勢の人生を豊かにする契機を作る事だ。貴社はマスメディアを用いて多くの人に行動の契機を与えることができるのに加え、同業他社には無い「関連事業から得られる市場データの蓄積」という強みを有している。
消費者の行動起点になることをゴールに置いている貴社で仕事することは私の生涯目標を目指せる環境だと強く感じている。私はクライアントと寄り添いながらニーズを把握し、クライアントと消費者、双方の目標達成に向けて貢献したい。クライアントへのヒアリングや消費者のニーズの把握などより良いものを目指せば目指すほど業務は大変になっていくと思うが、前職の経験を活かしてやり遂げたい。
広告代理店は依頼をもらう営業や広告のプランニング、メディアレップなどたくさんの業務があり、それらが連携して会社は成り立っている。どの業務に携わることになっても、貴社と私のビジョンに重なっている所があるので、 やり抜くことが出来ると考えている。
3.「なぜその企業を志望するのか」を明確にアピールする
同業他社にはない魅力をしっかりと伝えることで、熱意をよりアピールすることができます。
例文①:銀行
例文②:銀行
社会経済の中核を担う銀行員として人々の豊かさを根底から支える基盤になりたいと考え貴行を志望している。前職の飲食業界ではお客様に提供できる価値が目前の方々に限られ、かつそれが食という限定的なものであった。
もっと幅広い事業と関わり合い、社会に大きな影響力をもつ仕事に携わりたいと考えていたところ、真摯にお客様と向き合い、多くの事業の基盤となっている貴行のビジネスを知った。少数精鋭かつノルマ達成が厳しく要求される貴行は、自分次第でどこまでも成長できる環境がある点で群を抜いている。厳しい環境下で無形商材を扱うことで自分自身が成長することで、貴社の発展に貢献したい。
前職で培ってきた相手志向を徹底的に磨き、人で勝負する人材を目指す所存である。グループ間の連携指揮を執りながら、自分自身が付加価値となって顧客の課題解決に尽力したい。
なるべくオリジナルな志望動機を書きましょう
以上が転職をする際に志望動機に意識したい3点を説明しました。いかがでしたか?
転職活動には志望動機の作成が欠かせません。前職での経験やスキルをアピールする余り、企業への熱意や志望度の高さが伝わらないこともあります。そのようなことにならないように
・「転職先で自分の経験を生かせること」
・「転職後のキャリアビジョン」
・「なぜその企業を志望するのか」
をしっかりと明確にしてバランス良く志望動機に盛り込むようにしましょう。また、志望動機を書くのに以上の三点を意識しながらもあなたオリジナルの志望動機を書けるように努力しましょう。