薬剤師にも英語力は求められる?英語を使えると評価される職場は?

薬剤師という職業は、とても専門的な職業ですので英語を話す機会は無いように思われますが、実際そうとは限りません。
正直、現在は都心部で働く方を除けばほぼ英語とは無縁と言っていいでしょう。しかし、これからは英語を話せるかどうかというのは職を得る上でも重要な点になっていくと予想できます

現在でも大都市で働く人は外国人と接する機会は多いでしょうし、これからますます増えることが予想されます。
東京オリンピック、大阪万博などのイベントで海外から日本にやって来る方は大勢いると思われます。

そして日本の観光業は世界中から注目されていますので、それらのイベント後も観光ブームは続くことが考えられます。そうなった場合、英語力の有無はキャリアに大きな影響を与えることとなるかもしれません。

英語が使える職場

英語が使える職場とは、基本的に外国人のお客さんが多い場所になります。

主に以下の職場になります。

・ドラッグストア

・外国人向けクリニック

・外資系企業

・CRO

・外国の薬局

ドラッグストア

日本のドラッグストアは海外のお客様にも大変人気です。化粧品メーカーは世界から好評ですが、日本語を理解できる外国人はほぼいませんので、英語で説明ができると仕事の幅が広がります。

特に羽田空港や成田空港、関西国際空港などの国際便が発着する空港は英語対応可能な薬剤師の需要は高いです。
2019年5月現在、神戸空港が国際線発着の検討をしているようなので、今から探す方は見てみると募集があるかもしれません。

薬局の商品を英語で説明するというのはなかなか難易度が高いです。というのも、日常会話では出てこないような専門的な用語についても英語で話せなければいけないからです。日本語ですら難しいような学術用語を外国語で伝えるというのは簡単ではないはずです。

空港以外だと、外国人が多く来る場所、多く住む場所が挙げられます。秋葉原や浅草といった観光地は外国人で溢れていますから、それだけ来店される人も多いでしょう。

他にも、大使館の多く存在する麻布や広尾は外国人の方が多いです。もちろん、他の場所に比べたら多いといった程度ですから、英語を日常的に使う環境とは言えません。
米軍基地の周囲も選択肢としてはありかもしれませんが場所の制約が強くなりますし、なんとも言えないですね。

外国人向けクリニック

日本には、外国人のお客さんをターゲットとするクリニックが存在します。
確かに、日本人が普段足を運ぶ病院で外国人を見かけることは少ない気がします。外国人向けの病院では、英語が使えなければ話になりませんから、採用の時点で必然的に英語の能力が測られるでしょう。

こういった病院は東京都、特に港区に多く存在します。麻布、赤坂、青山などにあるようです。これらの地域は大使館も多いですし、都心でアクセスが良いので、勤務地としても魅力的ではないでしょうか。ただ、現在薬剤師を募集している場所はそこまで多く無いかもしれません。

外資系企業

必ずしも薬剤師として働きたいわけでなければ、製薬・医療関係の外国企業というのもアリでは無いでしょうか。

医療機器メーカーでも募集を行っていることがあります。医療には国境はありませんし、日本より欧米の方が進んでいる分野もありますから、英語ができて損はありません。もちろん、外資系企業は採用の難易度が高いですが、外国企業とのやりとりは日常的に行われる可能性があります。その上、給料も高いことが予想されます。

入社のためにはTOEICで高得点を取ることが要求されることが多いので、周りの社員も英語ができるという環境で働けます。

CRO

CRO(受託臨床機関)という、業務を製薬会社から受託して、治験業務をサポートする機関があります

例えば、試験実施計画書作り、症例登録業務、モニタリング業務、データマネジメントといった業務があります。製薬会社が自社でやりきれない業務を担当するという感じですかね。製薬会社は日本の企業以外にも沢山ありますので、英語ができると外資系の製薬会社の担当となることができます。
そのため、英語ができない人よりも有能と判断されることになります。

外国の薬局

語学が堪能な方であれば、思い切って海外に出てしまうのも選択肢として持っても良いかもしれません。

免許を現地で取り直す必要がありますから、経済力と語学力が求められます。しかしその分、英語話者に囲まれる環境で働くことができるでしょう。

外国にある日本人向け病院に勤務して日本語も英語もいかすという道もありますね。いきなり海外は不安があるという方はワーキングホリデーの制度を活用して期間限定で就職することもできます。ワーキングホリデー制度とは、30歳以下の人が対象となり、特定の国の長期滞在ビザを取得できるというものです。

通常のビザとは違って、就業できることが大きなメリットです。オセアニアやカナダ、イギリス、韓国などが対象の地域となっていて、滞在可能期間は国によりますが1,2年です。語学のスキルアップのためにもワーホリを考えてみてはいかがでしょうか。

英語が話せると待遇がよくなる?

正直なところ、まだ英語を話せる薬剤師の需要はそこまで高くはありませんので、英語が話せるからといって大きく給料が良くなることはないでしょう
しかし、今後を見据えた場合は英語が自分のキャリアにポジティブに働くこともあると予想できます。

日本への観光客が増えていることは前述の通りですが、外資系企業などの薬局以外の職場に転職できる可能性が高くなるということもメリットとしてあります。

また、自らのスキルアップのために英語力は強力なツールとなるでしょう。薬剤師に限ったことではないのですが、多くの分野で最先端の研究・論文は英語で発表され、欧米の権威ある学術系の雑誌に記載されます。英語力があればこういった時代の先頭を行く研究などを時差なく知ることができますが、そういった媒体を理解する力がない場合、それらが日本語に訳されるまで待たなければなりません。

全ての論文が日本語になるわけではありませんし、英語を英語のまま読解するのと、日本語に翻訳されたものを読むのではニュアンスなどが絶妙に変わってきます。

これらの要素を考えると、英語力は自分の価値を高めてくれる重要な能力の一つと捉えることができます。年々需要が増すと予想される能力を身につけておくことは将来への良い投資となりますから、百利あって一害ないでしょう。

英語力を測る試験

英語ができることを証明するには、語学試験で点数を取ることが早いです

英語の試験では

・英検

・TOEIC

・TOEFL

・GTEC

・IELTS

など沢山ありますが、就職・転職という観点ではTOEIC一択です。

英検は日本国内でしか使えないですし、先日会った外国人教授も英検は趣味と言っていました…。TOEFL、IELTSは留学向きですし、GTECはまだまだ認知度が足りません。TOEICは基本的にリーディングとリスニングのみの2時間の試験で990点満点となっています。

インターネットやコンビニで申し込めますし、受験料は6000円弱で年に10回行われているので気軽に受けられるのではないでしょうか。得点の目安として、800点を超えれば高得点と言えるでしょう。ただ、大学生でも優秀な帰国子女や英語の得意な人は900点以上取りますので、満点を目指すくらいの気持ちで取り組むのが良いでしょう。

過去問を解きながら傾向を掴み、英語塾に通うのもアリです。点数という客観的データで自分の能力を測られることになるので、少しでも高い点数が出るように、試験慣れすることも大事です。

英語を話せたほうが良い!

薬剤師でも英語を話せるようになったほうが良いことがわかったと思います。
薬剤師が働く職場では外国人が訪れるなど、英語を使う機会のある職場が多いです。また、今後オリンピックや大阪万博などによって外国人観光客が多く訪れると見られます。そのため、一人でも多くの薬剤師が英語を話せるようになったほうが良いといえます。

そのほか、英語を話すことができる薬剤師は希少なので、転職しやすかったり、高待遇になったりと、メリットは多くあります。
是非、英語の勉強をしてみてください!

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