「履歴書を書く際に、資格欄が全く埋まらない」と悩む社会人は多くいらっしゃいます。
大学を卒業して、就職活動をする際にはそこまで資格欄に書ける資格が少なくても就職に大きな影響がありません。
企業側も、即戦力として新入社員を受け入れるのではなく、先行投資として、資格よりも人間性や性格、学力を重視する傾向にあります。
しかし、30代の転職はどうでしょうか。
社会に出て、20代のうちに力をつけて、30代でチャンスを掴みとり生かすのが基本になっています。
つまり、30代の転職においては「即戦力足りうるか」を基準に判断します。
こうした能力を判断するのは人事の人にとっても難しいです。転職希望者もできるだけ自分ができる人材であるということを装ってきます。
そこで、客観的に判断する材料として、「資格」をみるのです。ただ、がむしゃらに資格を取ればいいということではありません。
今回は、徹底調査によって見えてきた本当に転職に役立つ9つの資格を紹介していきます。
目次
汎用性が高い資格
まずは、30代で転職をする際に、どこに提出しても評価される資格を見ていきましょう。
ビジネスマンにとっては、業界が違ってもプロセス自体は似ている場合が多いので汎用性の高い資格をとっておくと多くの会社にトライすることができます。
日商簿記
商工会議所が実施する検定の中でも、日商簿記は知名度が抜群に高いです。
現在では、大学でもこの日商簿記対策の授業を行われているほど評価を受けています。
1級から3級まであり、自らの状況に応じて取得すべき資格は異なってきます。
レベルごとの難易度等を解説していきます。
1級
経営管理や分析などができる高度な簿記の力を示す資格です。
難易度で言えば、会計学の習得レベルと言えます。
また、1級を取得することによって、税理士試験の受験資格が得られるため、30代で税理士資格の受験要件を満たしていない人には大変お勧めできる資格になっています。
2級
30代で税理士事務所スタッフや一般企業の経理、あるいは財務部の分野に転職を希望している人には必見の資格であります。
むしろ、この2級がないと転職が難しい場合があります。
3級で学ぶことのできる商業簿記だけでなく、工業簿記も学ぶため30代で製造業に転職を希望しているならおすすめできます。
3級
商業簿記が身につくため、中規模や小規模の会社で経理を担当することができるレベルの資格となっています。
経理以外にも、管理部門や営業で転職する際にも評価を受けやすいため、30代であれば職種関係なく取得することをおすすめします。
秘書検定
秘書検定は秘書に転職するだけではなく、すべてのビジネスにおいて役立つ資格です。
試験内容は秘書の資質があるかどうかを判断する項目はあまり多くなく、むしろ敬語がうまく使えるか、接待のマナー、一般常識や教養、文書作成スキルなどを問う問題が多くあります。
そのため、30代で今まで経験してきた、そして蓄えてきたスキルを再確認できる資格となっており、ハードルもそこまで高くはありません。
また、今までマナーをしっかりと学んでこなかった人はむしろこの秘書検定を通してマナーを身につけましょう。
TOEIC
TOEICは、今や大学に入学した時に英語のクラス分けで使われるだけではなく、高校生も受験する日本で有名な資格の一つです。
転職市場においては、英検以上にTOEICの方が高く評価されます。企業側は、時間のない人がどれだけ満点に近づけるかを見ています。
単に、英語能力だけではなく、努力できる人かをも判断しているのです。
また、グローバルな企業や外資系に転職を考えている場合は必須のスキルであると言えます。
大手やベンチャー起業でさえも近年はTOEICを評価している場合が多々あり、30代で転職を目指すのであれば必須の資格であります。
しかし、TOEICには合格という概念がありません。
自分がどれだけ得点を取れたかを示します。履歴書に書くのであれば、最低でも600点以上が必須になっています。
また、30代で外資系に転職を考えているのであれば750点から800点ほど取らなければ厳しい場合があります。
MOS
エクセルやワードなどの一般企業で広く利用されているマイクロソフトオフィス製品をどれくらい利用できるかを証明できる資格になっています。
30代だけでなく、社会人が必須で身につけておきたい事務能力を知るための指針となるため、事務業務に転職を考えている場合はアピールできるスキルです。
また、各ソフトのバージョンやレベルごとに科目が分かれており、証明したいスキル分野に絞って資格を取ることができます。
特定の業界に転職する際に役立つ資格
もう既に転職したい業界が決まっている場合は、その決まった転職先の業種で高く評価されている資格を取得すべきです。
ここでは、もう既に転職のビジョンが見えていて決まっている30代におすすめの資格を紹介します。
介護福祉士
介護福祉士は、30代で現在人手不足と叫ばれている「介護業界」に転職を考えている人には必見の資格です。
この介護福祉士は国家資格であり、養成施設や福祉学校を卒業していない30代が取得を希望する場合、実務経験と実務者研修修了がそもそもの受験者資格になります。
そのため、すでに介護業界で働いている方でキャリアアップを目指す人にとってもおすすめの資格です。
30代で無経験の人が介護福祉士の資格を取る場合は、まず「介護職員初任者研修」が必須になってきます。
フォークリフト運転技術者
フォークリフト運転技術者は、物流や運送、製造業への転職を目指す30代が評価を受けやすい資格です。
指定教習機関で講習を受講して、修了試験に合格するだけでいいため、取得はさほど難しくはありません。
その反面、ニーズが割と高く、資格手当がつく場合も多いので、取得しておくと転職に大変有利です。
宅地建物取引士
宅地建物取引士は不動産のエキスパートであることを示す資格です。
宅地建物取引主任者という名前から宅地建物取引士に平成27年に変わりました。
不動産関係の事務所では、5人に1人の割合で配置が法律で義務付けられているため、30代が不動産業界に転職を考えている場合はとっておくべき資格です。
しかし、合格率が20%未満で国家試験の中では比較的簡単な資格ですが、それでも真剣に勉強をする必要があります。
難易度が高いが30代で転職に役立つ資格
30代で転職を有利な資格を目指している方には、難易度が高い資格を取ることがおすすめです。
取得が難しい分、企業の人事の人たちから高評価を得られます。
今回は、30代で初めても間に合う難関資格を紹介します。
社会保険労務士
社会保険労務士は、社会保険事務のプロとして扱われる資格です。
大きく分けて、労働基準法をなどの労働法と健康保険や年金といった社会保険関係の法知識を学ぶ必要があります。
合格率は、なんと5〜8%と大変低いです。
その分、総務や人事といったバックオフィス系の職種や社労士事務所、金融業界、公的機関など幅広く多くの分野から評価を受けられる資格です。
中小企業診断士
中小企業の経営方針の診断や助言を行う専門家が、まさしく中小企業診断士です。
とりわけ、30代男性から人気が高い資格であり、コンサルティング業界や経営に関わる転職では有利な資格になります。
しかし、3次試験まであり、全てを一回で合格することは大変難しです。
資格を取得する際の注意点
30代で転職を考える際に取得する資格で注意すべきポイントもあります。
例えば、公認会計士の資格を取るには時間がかかります。
たしかに、合格すれば転職もできやすく今後の給与にも大きく影響してきます。
しかし、取得できなければ意味がありません。
むしろ、勉強に費やす時間があまりにも膨大で生活にも影響してくる可能性もあるでしょう。
今回は、そんな資格をする際に注意すべきポイントを紹介します。
自分を強化できる資格にする
30代で転職を考えている場合、闇雲に新たな業種にチャレンジすることは避けるべきです。
冒頭でお伝えした通り、企業側は、即戦力として働ける人材を求めています。
そのため、新しい分野の資格を受けることはおすすめしません。
むしろ、今まで自分がいた業界で自分をより強化できる資格にしましょう。
つまり、すでに持っている自分の強みを強化するものにすべきなのです。
仕事に活かせる資格でないといけない
ただ、資格の欄を埋めるためだけに資格をとってはいけません。
仮に、事務の転職を希望する人がフォークリフト運転技術者の資格を転職のために取得しても意味がありません。
たしかに、話の話題なるかもしれませんが、直接合否に関わるものではありません。
事務なのであれば、事務の職場で行かせる資格を取りましょう。
犠牲にしなければいけないものもある
30代で資格を得るためには、さまざまな誘惑に勝たなければなりません。
飲み会などは極力避け、仕事以外の時間は全て資格に費やさなければなりません。
簡単に取れる資格は評価があまり高くないため、必然的にも難易度の高い資格になります。
そのため、遊びながらでは資格を取ることはできません。
資格を取れなければ費やした時間は全て無駄になっていますので、そうした覚悟を持って試験勉強に取り組みましょう。
転職を考えているなら転職エージェントの活用も必須
転職は資格があれば容易に進むというものではありません。
転職情報には公開された情報と非公開の情報があります。
非公開の情報は転職エージェントにしか流れてこないため、いくら資格を持っていても評価してもらわなければ意味がありません。
会社側としても、新卒に対して多くの時間や人件費、資金を投資しているため転職にはあまり費用をかけません。
そのため、転職エージェントにあらかじめ人を選定してもらう動きが多々あります。
しっかりと転職を成功させるために、上手に転職エージェントを活用しましょう。